『マンハッタン版「プリティウーマン」は最高の出来。』
アン・ハサウェイを一躍スターダムにのし上げた本作は、ある意味でハリウッド映画の王道であるが、ここまで見事にNYC&パリのファッションと風景を溶け込ませたサクセスストーリーは近年なかった。冒頭のダサい格好から、NYファッションを着こなす女性に変身するアン・ハサウェイは「プリティウーマン」のJ・ロバーツを彷彿とさせる魅力があった。こちらはLA&ビバリーヒルズのいわば西海岸風オシャレであったが、本作はビジネスの主戦場・マンハッタンでのお話のため、スタイリッシュなOL七変化が楽しめる。数十年後に観たら「古臭い」デザインなのかもしれないが、少なくとも「ティファニーで朝食を」くらいのインパクトは維持するだろう。またメリル・ストリープも素敵だった。こういう役をやってもピタリとはまってしまうのが、スーパースターたる所以だろう。また、撮影のほとんどがマンハッタンというのも効いている。同じ20世紀FOXだと「フォーンブース」もNYCが舞台だったが、これは最初と最後だけマンハッタンで、残りはLAアレキサンドリアホテル前を「NYに見立てて」撮っているし。やっぱり絵になる街だと思う。誰にでも勧められる傑作です。