『“ゆっくり恋する”ってなんかいい』
出てきたばっかりの時は、
「どうせそのへんの若いのつかまえて軽音楽部の学祭の延長線上、若しくはストリートのりの安易な音楽やらせてんでしょ?」
「安易に桜ソングでブレイクだしっ!」
とか限りなくふざけた評価しか出来ていなかった自分を恥じる程になんだかここ最近好きです。
耳馴染みの良い聴きやすいポップスの体をなしつつ、
なんだか古き良きニュー・ミュージック世代のノスタルジック感を感じさせる雰囲気に溢れていて、中身をほじくっていってもなにげに深いモノがつまっているのでは?そんなコトにふと気付きました。
限りなくガールポップスな塩梅の歌詞も、ありきたりなフレーズのなかにふと、あら?と思わせる言い回しがあったりして、
そーゆう、才能。。というよりかは“センス”とか“バランス感覚”とかが非常に上手いなっていう。
サラッと聴けちゃうからきずけないケド、逆にだからこそナイス。
凡百なポップスと同じベクトルで聴いているには勿体無い面白さです。
さて、今作では
一言で言えば胸キュン。「あなた」も「あたし」も人物像がハッキリしていて非常にわかりやすいシンプルなラブソング!
感情移入必須!
哀愁さえ漂うメロディとは裏話に、可愛らしい主人公たちの描写はなんともほのぼのしてしまう。
極端な例えだけれども、“あなたが死んだら生きていけない”なんてフレーズが少しでも出てきたら、一気にくだらないモノになってしまうところを和えて大袈裟じゃない言葉が
ほんとに素敵。飾らない。
“ゆっくり恋する”ってなんかいいでしょ?
いきものがかりが持つ唯一無二の素朴さって、なんかすごく美しい。